リハビリコラム VOL.4 RICE処置
スポーツ外傷に対する代表的な処置、RICE。
今回は、RICEの意味や重要性を理解していただくために、
損傷による生体の反応を踏まえてRICEがどのように作用しているのかを説明いたします。
【損傷と炎症】
生体組織に何らかの強力な外力が加わると、受傷部の組織が破壊される。
組織の破壊に対する生体の反応は、異物の除去と破壊された組織の再生である。
これらの過程に見られる症状を炎症と言う。
【炎症の流れ】
受傷→細胞膜の破壊→細胞内容物の細胞外への流出→細胞膜の透過性亢進・血管壁の拡張→一時的な血流量・血流速度の増加→二次的に血流が遅くなる→白血球・赤血球・血漿の血管外への流出→組織間圧の上昇
【炎症の5徴候】
1:発赤、2:発熱、3:疼痛、4:腫脹、5機能障害
【急性期対症療法】(RICE)
R=Rest(安静) :患部への余計なストレスを防ぐ。(悪化予防・疼痛軽減)
I=Icing(冷却)
:拡張した血管を収縮させ、血流を正常に近づける。
発赤・発熱を抑える。
C=Compression(圧迫)
:白血球・赤血球・血漿の血管外への流出を防ぐ。
腫脹の形成を防ぐ。
E=Elevation(挙上)
:患部にうっ滞した血液や間質液を中枢側に戻りやすくして腫脹や
疼痛の悪化を防ぐ。
※上記した作用によって疼痛・機能障害を軽減する。
【修復過程】
:受傷後3〜5日の間(炎症段階の後半)に修復過程の同時進行が始まる。
血漿に含まれるフィブリンが、損傷した軟部組織を再結合して修復していく。
再結合を放置すると、受傷部が硬くなりすぎるので(拘縮)運動の妨げにならない程度の柔軟性を出す治療(Mobilization-etc)が必要である。また、靭帯などの損傷では、関節の動揺性が高まるので、筋力を高める事で安定性を高める必要がある。
早期復帰が望まれるスポーツ選手には、充分完治していなくても復帰する事がしばしば見られる。そのような選手には、復帰の導入としてテーピングが効果的と思われる。